成犬成猫にとってミルク(牛乳)は本当に必要か?!
健康上のご相談でこられた飼い主さんに、現在の食生活についてお伺いすると、ほとんどの方がミルク(牛乳)を与えていらっしゃいます。生まれたばかりの赤ちゃんで、母犬の母乳が出ない場合はしかたがない(この場合は、牛乳ではなくて犬や猫の成分に合わせた粉ミルクを与えるべきですが・・・)としても、牛乳や犬猫用の粉ミルクを授乳期の済んだ成犬や成猫に与える必要はありません。
●なぜ牛乳は必要なくなるのか?
ミルクの中に含まれる「乳糖」(デンプン類)を分解するためには「ラクターゼ」という酵素が必要です。母乳を主食とする授乳期には「ラクターゼ」を多くもっており、食物中の栄養素をきちんと消化吸収することができます。ただ離乳期にはいると「ラクターゼ」の活性が弱くなり、成犬・成猫になる時分にはほとんど活性しなくなるため、牛乳中の栄養素は体内に吸収されにくくなるからです。
●なぜラクターゼがないと「栄養素は体内に吸収されにくい」のか?
食物中の栄養素は、アミノ酸によって腸まで運ばれます。しかし乳糖が分解されないと栄養素とアミノ酸がくっ付くのを阻害してしまいます。ですから、カルシウムを補給するつもりで牛乳を多く飲んだとしても、体内にカルシウムは上手く吸収されにくいことになります。
離乳期・離乳食について
飼育について書かれた本の中でも「離乳食は25日ぐらいから」なんてのもあるようですが、飼育の基本は母犬に任せることです。そろそろ離乳をという時期になると、母犬は自分の食べたものを戻して子犬に与え始めます。(愛玩犬は別)しかし、離乳食の練習が始まっても、母犬は子犬に生後2カ月ぐらいまでは母乳を与えています。ブリーダーさん・飼い主さんが、こんな簡単な自然の法則を知っていれば、生後2カ月以前の子犬がペットショップの店頭で売られていることに不自然さを感じるはずですし、この期間は母犬の元で育てることが犬・猫にとってベストだとお気付きになるでしょう。また、長い一生を共に暮らすのはペットショップでも、ブリーダーでもなく貴方自身なのです。
母犬から早く離し過ぎると免疫が弱かったり、栄養不足など問題があります。また、他の兄弟たちと遊びながらいろいろなことを学習する大切な期間でもあります。
店頭での犬猫用ミルクの販売について
あなたの犬猫にとってミルクを飲ませる必要が無い場合、当店では販売しておりません。
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