腎臓疾患とペットフードの関係 当店に猫のご相談に来られる方のほとんどが、腎臓疾患。そして、ペットフードを主食にしていらっしゃる飼主さんが大多数をしめています。それらフードの成分表示を見ましても、その成分によってペットたちが病気になるはずがないのですが・・・・・。現実にはその疾患数はかなりなのですが、大多数の猫達を病気に追い込んでいることを知っていた人は何人いたでしょうか? 獣医さん、ショップ〜〜飼主さんほとんど知らなかったと思います。これは店をオープンしたての頃、同業者かな?と思われる人が入ってこられました。私も雰囲気がちょっと違うなと感じたため「失礼ですが、ショップさんですか?」と尋ねました。やはりそうです。その方曰く「(ペットショップを)15〜16年やっているが、ペットフードの表示なんて見た事ないし、気にした事もなかった」そうです。私の方が驚いてしまいました。 買い手は、ガツガツ食べる(嗜好性が良い)フードを購入し、作り手は嗜好性の良いフードを作る。売り手は需要と供給にあったフードを入れてしまう。 嗜好性が良くなるように研究されたフードと、正しい自然食に即したフードを比較した場合、食いつきがよいと思われるのが当たり前です。フードに対する間違った認識が、腎臓疾患に限らず様々な病気の原因になっているのです。しかし飼い主さん達は良いフードを選ぼうとしても成分表示に大きな誤差?があったとしては、選びようがありません。つまり今のペットフードに対しては、消費者の方々には選択方法がないのです。 当店がブロックを担当している「ペットの健康を考える会」において、大手フードメーカー2社のキャットフードに含まれる塩化ナトリウムの実数値を、公的機関に分析依頼したところ下記のような結果が出ました。
パッケージ表示 分析による数値 その他
F社 100g中、0.45g 100g中、1.5g 「AAFCO(米国飼料協会)の公定法に基づく給餌テストを通じ、FUSなどの疾患にたいする研究も続けています」とあります。
?社 無表示 100g中、1.8g
AAFCO資料中、塩化ナトリウムの使用量は「最低100g中、0.2g」とあり、最高量は記載がありません。塩分過多についてはnews8をご覧下さい。 腎臓疾患について 犬の泌尿器官のなかでいちばんトラブルが起きやすいのが腎臓である。腎臓疾患は犬の死因のおもなもののひとつだ。その疑いがあるときはすぐに獣医師の診察を受けさせよう。オーナーが家庭でできるケアの方法はあっても、第一にすべきことは専門家による疾患の特定だからだ。しかし一般的にトラプルが起きても初期の徴候はあまりはっきりとしていないことが多く、オーナーが見過ごしてしまいがちなので気をつけよう。 腎臓のしくみ 腎臓はいちばん下の肋骨のつけ根と腰ついの下の部分左右ひとつずつある。実質は皮質と髄質とに分かれ、その内側に腎盂がある。腎臓内の血管は実質の中で細かく分かれてからみあい、皮質の中で糸の玉のような糸球体となっている。糸球体はボーマン嚢に包まれ、このポーマン嚢から細い曲りくねった尿細管が続き、集合管につながっている。この糸球体から尿細管、腎盂まで続く一本の細い管をネフロンといい、犬ではこれが約40万ある。身体を循環している血液の一部は腎臓を通る。まず糸球体で、血液中の 低分子成分のミネラル、プドウ糖、尿素、水などがこしとられる。こうしてできたのが原尿で、細尿管を通されるときにミネラル、プドウ糖、アミノ酸がここから再吸収され、尿素窒素やクレアチニンなどの老廃物は吸収されずに尿となる。水分の再吸収もここで行われる。こうしてできた尿は細尿管から腎盂に集められ、尿管、膀胱、尿道を通って排出される。 腎炎 初期では症状がほとんどなく、オーナーが気づきにくい。水をよく飲み、薄い色の尿を頻繁にする。しだいに尿量が滅り、ピンク色の薄い血尿となる。進行すると、末期状態へとつながる。感染症による免疫力の低下や、化学物質からとりこんだ毒物により腎臓機能に障害が起きる。またフィラリアによ腎炎の場合もある。予防法免疫力を高め毒物をとりこまないように、ナチュラルな食餌とサプルメント、蒸留水か浄氷器の水を与える。予防と同時に早期の発見と治療が大切だ。尿の状態はいつも注意しよう。フィラリア対策もきちんとしておこう。慢性になる前に症状を改善しよう。オーナーのすべきことは、獣医師の指示をあおぐとともにやはり栄養上のケアである。高品質のタンパク質を低い割合で含む消化のよいナチュラルな食餌サプルメント蒸留水か浄水器の水を与える。 腎不全 初期には多量の水を飲んで薄い色の尿を頻繁にするが、症状の進行にともない急激に尿量が滅り、嘔吐、下痢、便秘をくりかえすようになる。そのまま症状が改善されないと体内に毒物が蓄積し、尿毒症になる危険性がある。腎臓のトラブルはネフロンやネフロンとネフロンの間の間質という部分にも起こる。ネフロンは一度壊れると修復不可能になるが、通常1/3しか使っていないため、2/3が壊れるまでは目立った症状があらわれない。この症状があらわれる状態が腎不全だ。原因にはいろいろあるといわれていても、基本的にはウイルス感染や毒物の摂取による腎臓の機能障害がもととなっている。腎不全を招く腎臓のトラブルを予防し、また症状が起きてもオーナーによる栄養上のケアで早期に治癒することが大切だ。すぐに獣医師の診察を受け、症状の程度を判断してもらおう。緊急の化学療法を行うにしても、栄養学的な立場に立った治療をしなければ根本的な解決にはならない。腎臓の負担を最小限にし、なおかつ必要なタンパク質を供給できるように、高品質な夕ンパク質を低い割合で含む消化のよいナチュラルな食餌サプルメントを与える。 オーナーのするケアのポイント何よりも大切なのは予防だ。それには栄養上のケアが基本である。また何らかの慢性疾患を未治療のままにしておかないこと、フィラリア対策はきちんとしておくことも大切である。かかりつけの病院を選ぶときは、外科的な処置や化学薬剤の投与は最小限に抑え、栄養学的な知識に基づき家庭でのケアの指導もしてくれるところがよい。健康状態、とくに尿の状態は常にチェックをおこたらないようにしよう。何らかのトラプルの症状があらわれたら、手遅れにならないうちに獣医師の診察を受けさせ、疾患を特定してもらおう。 腎臓疾患のための食餌療法 予防も治療も中心はナチュラルフードだ。できるだけ老廃物の生成が少なく、またすでに腎臓に蓄積している汚れも取り除いてくれる食餌を摂取すべきだからだ。ナチュラルフードに含まれる良質のビタミン・ミネラルも免疫力を高め、諸器官の機能を健全に保つのに有用だ。重症の場合は、消化しやすいように、流動食を与えたほうがよい。腎臓疾患のための食餌擦法でのポイントは、腎臓に負担をかけないためにタンパク質の量を抑えることである。実際には低タンパク食はタンパク質を必要としている身体の要求に直接的には反するもので、たとえば大量生産されている安価なドッグフードのようにタンパク質の品質が悪いと、身体は不足したタンパク質を補おうとして筋肉をタンパク源として利用するようになってしまう。このため重度の腎臓疾患の場合、筋肉は衰弱するのである。これを防ぐにもタンパク質は高品質のものでなくてはならず、ナチュラルフードが最適だ。ともかく第一に獣医師の診察を受けて障害の程度を判定してもらい、食餌療法のアドバイスを受けよう。アメリカで分子矯正医学を推進する獣医師の間では、これらに加えてサプルメントを用いる。ビタミンCはとくに多量に与える。そして利尿剤を用いるときはハーブ系のものを勧めている。
【DOG vol.13参照】
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